ハービー・山口 写真展「旅、音楽、ファインダー」@福岡・六本松蔦屋書店

HERBIE YAMAGUCHI「 journey , music , finder 」

2月23日~3月2日に開催され、アート×音楽で濃厚な一週間だった福岡アジアアートウィーク「the finders」。福岡・六本松蔦屋書店では、2019年3月25日までアートウィークの一環としてハービー・山口氏による写真展「旅、音楽、ファインダー」を開催中です。

ボーイ・ジョージやU2などミュージシャンたちの貴重な姿


1970~1980年代、パンクロック&ニューウェイヴ・シーン黎明期のロンドンで、まだデビュー前だったボーイ・ジョージと交流し、ハービー・山口氏が体験してきた当時のロンドンを写真に撮り収めた作品が飾られています。ハービー氏はBOØWYや桑田佳祐、山崎まさよしなど日本のミュージシャンのCDジャケットも手掛けられているのも有名ですが、今回の写真展では、『尾崎豊 1991』や1996-97年の福山雅治さんを被写体とする『代官山17番地より7』も特別に展示しています。
ありのままの被写体を切り取る彼の写真には、いつ見ても心を揺さぶられます。
ハービー氏はシャッターを切る瞬間を以下のように語ります。

シャッターを押すときにその方の幸せを祈ってシャッターを切る。その精神性が相手のチャンネルに送られて受けた場合、この人のカメラは心地よいなと思ってくれて、よりいい表情になる。相手にいいバイブレーションを与える、それは相手をリスペクトし、その人の幸せを祈ること。
FM FUKUOKA「GO FOR IT!」2019年3月10日(日)放送

1982年頃、仲間とシェアしていたフロアに一緒に住んでいたボーイ・ジョージを35mmレンズで撮影したものなど、ひとつひとつにストーリーがあります。その他,U2やジョニー・ロットンの写真もあり、音楽好きにとっては見逃せない今回の写真展「旅、音楽、ファインダー」。ぜひ彼らが生きた40年前のパンクロックシーンのロンドンを感じてみてください。

3.11東日本大震災の記録

3月11日から、一部内容を入れ替えて一週間の期間限定展示をスタートしました。

再会した三世代の手、南相馬市の仮設住宅で。福島 2012
2012年に仮設住宅の前で、祖母、母、娘の三世代が再会した時を撮影したものになります。この翌年、祖母は他界されてしまったそうです。”あの時、人々を写すことは写真の神様が私に与えたミッションなのだと思いました。”と著書「良い写真とは?撮る人が心に刻む108のことば」で語られています。この写真は2014年ライカ0型から100年を記念した写真展で選ばれ、写真集(“Eyes Wide Open! : 100Years of Leica Photography”「目を開け、ライカ写真の100年」)に収録されています。


パンクな漁師 2011
2011年4月、ハービー氏は岩手県の大槌町で転覆した漁船に向かって歩いていた時、復興作業をしている青年に出会います。その青年が着ているTシャツには、パンクロッカー、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンが。パンクがつなげてくれたご縁だった、と思われたそうです。そして写真展では『パンクな漁師』の右隣には『ジョニー・ロットン 1983』があります。

あたたかく降りそそぐ木漏れ日が映し出す影、窓に差し込むやさしい光、今はもう存在しない蔦の葉に覆われた建物、その空間に生きた人たち。
彼らの瞳に見入っていると、モノクロームにやさしく色づいてゆき、当時の面影を垣間見せてくれるような感覚になります。
ハービー・山口氏の”ファインダー”を覗けるような写真展「旅、音楽、ファインダー」。
残り2週間、ぜひ福岡・六本松蔦屋書店へお越しください。

■ハービー・山口氏 プロフィール

1950年、東京都出身。中学2年生で写真部に入る。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。
一時期、劇団に所属し役者をする一方、折からのパンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。そうした中で撮影された、生きたロンドンの写真が高く評価された。
帰国後も福山雅治など、国内アーティストとのコラボレーションをしながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。
多くの作品をモノクロームの、スナップ・ポートレイトというスタイルで残している。 その優しく清楚な作風を好むファンは多く、「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになる様な写真を撮りたい」というテーマは、中学時代から現在に至るまでぶれることなく現在も進行中である。
HP:http://www.herbie-yamaguchi.com/

ハービー・山口 写真展「旅、音楽、ファインダー」

会期:2月26日(火)~ 3月25日(月)7:00-23:00
入場無料
会場:六本松 蔦屋書店 アート展示スペース(福岡市中央区六本松4-2-1 六本松421 2F)
カフェスペース内、アートスペースなど展示スペース4ヶ所にて展示中。
展示中の作品につきまして、撮影禁止2作品と限定公開の作品以外は、すべて購入可能です。
お名前、お電話番号、ご住所、購入を希望する作品名を明記の上、下記メールアドレスまでご連絡ください。
メールアドレス:contact@elente.tokyo
会期後、10日~2週間以内に発送いたします。ご不明な点などはお気軽にお問い合わせくださいませ。

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